この節では、FreeBSD で利用できる MP3 プレイヤや、オーディオ CD トラックを吸い出す方法、 および MP3 のエンコード、 デコードの方法について説明します。
Audacious は 人気のあるグラフィカルな MP3 プレイヤです。 Winamp スキンや追加のプラグインに対応しています。 Audacious のプレイリスト、 グラフィックイコライザ等のインタフェースは直感的です。 Winamp を使いなれている人は簡単に Audacious を使えるでしょう。 FreeBSD では、Audacious は multimedia/audacious の port または package からインストールできます。 Audacious は、XMMS の子孫です。
audio/mpg123 package もしくは port は、 は代替となる コマンドライン上の MP3 プレイヤです。インストールしたら、再生する MP3 ファイルをコマンドラインから指定してください。 もしシステムが、複数のオーディオデバイスを搭載しているのであれば、 サウンドデバイスを同様に指定してください。
#
mpg123
High Performance MPEG 1.0/2.0/2.5 Audio Player for Layers 1, 2 and 3 version 1.18.1; written and copyright by Michael Hipp and others free software (LGPL) without any warranty but with best wishes Playing MPEG stream from Foobar-GreatestHits.mp3 ... MPEG 1.0 layer III, 128 kbit/s, 44100 Hz joint-stereo-a /dev/dsp1.0 Foobar-GreatesHits.mp3
他の MP3 プレイヤも Ports Collection から利用できます。
CD 全体または CD トラックを MP3 に変換する前に、CD 上のオーディオデータをハードディスク上に抽出する必要があります。 これは raw CD Digital Audio (CDDA) データを WAV ファイルにコピーすることで行われます。
sysutils/cdrtools
スイートからインストールされる cdda2wav
ツールを用いて、CD
からオーディオデータを抽出できます。
CD をドライブにいれて次のコマンドを
root
権限で実行すると、
CD 全体をトラックごとに個々の
WAV ファイルに抽出できます。
#
cdda2wav -D
0,1,0
-B
この例では、-D
は SCSI デバイス 0,1,0
0,1,0
が抽出する CD を表します。
cdrecord -scanbus
を使って、
システムの適切なデバイスパラメータを取得してください。
個々のトラックを抽出するには、
次のように -t
でトラックを指定してください。
#
cdda2wav -D
0,1,0
-t 7
範囲を指定して、 一番目から七番目のトラックまで抽出したい場合、 次のようにします。
#
cdda2wav -D
0,1,0
-t 1+7
ATAPI (IDE) CDROM ドライブから抽出するには、 SCSI ユニット番号をデバイス名に置き換えて指定します。 たとえば IDE ドライブから七番目のトラックを抽出するには、 次のようにします。
#
cdda2wav -D
/dev/acd0 -t 7
または、「オーディオ CD の複製」
で説明されているように、dd
を使って
ATAPI
ドライブ上のオーディオトラックを展開できます。
lame は、 ポピュラーな MP3 エンコーダです。 audio/lame port からインストールできます。 特許の問題から、package は利用できません。
次のコマンドを実行すると、抽出した WAV ファイル
を使って
audio01.wav
に変換します。audio01.mp3
#
lame -h -b
128
--tt "曲名
" --ta "アーティスト名
" --tl "アルバム名
" \ --ty "年
" --tc "コメント
" --tg "ジャンル
"audio01.wav audio01.mp3
ここで指定している 128 kbits は、MP3
の標準のビットレートです。
160 kbits または 192 kbits のビットレートは、
さらに高音質を提供します。
ビットレートが高くなるにつれて作成される
MP3 ファイルは多くのディスク領域を消費します。
-h
オプションを指定すると
「低速高品質」 モードとなります。
--t
ではじまるオプションは ID3
タグを設定します。
このタグにはたいてい曲の情報が含まれており、
MP3 ファイルに格納されます。
Lame のマニュアルを参照すれば、
他のエンコーディングのオプションが見つかるでしょう。
MP3 からオーディオ CD を作成するには、 まず非圧縮のファイル形式に変換しなければなりません。 XMMS は WAV 形式へ変換できますが、 mpg123 は raw Pulse-Code Modulation (PCM) オーディオデータに変換します。
mpg123 を使って
audio01.mp3
を変換するには、PCM
ファイルを指定してください。
#
mpg123 -s
audio01.mp3
>audio01.pcm
XMMS を使って MP3 を WAV 形式に変換するには、 以下の手順に従ってください。
XMMS を起動します。
右クリックで XMMS メニューを表示します。
Options
から Preferences
を選択します。
Output Plugin を 「Disk Writer Plugin」 に変更します。
Configure
を押します。
非圧縮ファイルを書き出すディレクトリを入力、 または選択します。
普段通り XMMS へ MP3 ファイルを読み込みます。 音量は 100% でイコライザの設定はオフにします。
Play
を押します。
XMMS
は MP3 を再生しているかのように表示しますが、
音声はきこえません。
実際には MP3 をファイルに出力しています。
終了したら、再び MP3 を聴けるように Output Plugin を以前のように元に戻すのを忘れないでください。
WAV と PCM 形式は、 cdrecord で利用できます。 WAV ファイルを使用する場合、 それぞれのトラックの先頭に小さなノイズが入るのに気づくでしょう。 これは WAV ファイルのヘッダ情報です。 audio/sox port または package を使うとヘッダ情報を削除できます。
%
sox -t wav -r 44100 -s -w -c 2
track.wav track.raw
FreeBSD での CD 作成の詳しい情報は 「光メディア (CD & DVD) の作成と使用」 を参照してください。
本文書、および他の文書は https://download.freebsd.org/ftp/doc/ からダウンロードできます。
FreeBSD に関する質問がある場合には、
ドキュメント を読んだ上で
<questions@FreeBSD.org> まで (英語で) 連絡してください。
本文書に関する質問については、
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